美術館をハシゴ。涼しくなって来たので奥様も同行。
一つ目は東中野の東京黎明アートルームで開催中の「暁斎&三彩」。
東京黎明アートルームに行くのは今回で2回目。東中野駅から徒歩10分ほど、閑静な住宅街の中にある。場所がちょっと目立たないせいか空いていて、ゆっくりじっくり静かに美術を堪能できるお気に入りの美術館だ。今回の展示物は、唐三彩・河鍋暁斎・その他でそれぞれ1/3ずつ(暁斎が若干少なめか)といった感じだったが、私の一番のお目当ては河鍋暁斎。以前東京国立博物館で観た「地獄極楽図」がなかなか強烈でそれ以来気になっていた。
今回の暁斎の展示で印象に残ったのは「飲中八仙図」と「狸の嫁入り図」。
前者は杜甫の「飲中八仙歌」にちなんだ絵で、様々な画家が同じ画題で作品を残しているようだ。唐時代の八人の酒豪を、道教の「八仙」にちなんで歌にしたもの。愉快なお遊びだろう。暁斎の絵も八人の酒豪を漫画的に絵にしていて、子供のプールくらいある大きな盥から酒をすする男とか、麹車を見て涎を垂らす男とかを面白可笑しく書いている。教養のない私には解説がないと誰が何しているのかわからないが、それでも楽しい雰囲気は伝わってくる。
後者は、狸の嫁入りを絵にしていて、きれいな赤い花嫁装束を身に着けた狸がお輿に乗って、新郎と思われる正装の狸と共に大真面目に行進する様が何とも面白い。「狐の嫁入り」は聞いたことがあるが、なぜ狸?そこは解説は特になかった。
同時に展示されていた「三彩」=「唐三彩」で、唐時代の陶器のことを指すようだ。色が三色使われることが多いので三彩と呼ばれているらしい。展示物は白・緑・褐色の組み合わせのものが多いが、それが全てではないようだ。壺や盃の良し悪しは自分にはわからないが、パンフレットに掲載されている「三彩神将」は見事だった。陶器の仏像はこれまであまり見たことがなかったが、特に鎧の質感が良かったように思う。
1時間30分ほど鑑賞して、近くのカフェ「なかなかの」へ。ホットサンドとコーヒーで一息入れる。屋外の席は、風が気持ちよかった。

午後からは恵比寿に向かい、二つ目の目的地、山種美術館へ。前々から行きたいと思っていた、日本画中心に展示を行う美術館だ。
展示の中心は福田平八郎の作品。恥ずかしながら今回の展示で初めて知った画家だが、没後50年ということは、ちょうど私が産まれた年に亡くなったということで、勝手に縁を感じる。
さて、作品の方は「牡丹」がとにかく良かった。大正13年の作品で、初期の傑作と位置付けられているようだ。2枚の屏風、白地の背景に、繊細に描き込まれた赤と白の牡丹は、やや朧気で、朝靄の中のようにも夕暮れ時のようにも見える。Xに写真が出ていたのでリンクを張ったが、写真ではその良さが伝わらないように思える。
\お見逃しなく🏃💨/#福田平八郎《牡丹》( #山種美術館)
— 山種美術館 (@yamatanemuseum) 2024年4月17日
画面いっぱいに咲き誇る牡丹✨
中国・宋代の院体花鳥画を強く意識し、花の細部まで緻密かつ丁寧に写し取っています👀
よく見ると、散っていく雄しべまで描かれているんです😳
ぜひ会場で探してみてくださいね😉#花flower華2024展 pic.twitter.com/zrrEiOuCdt
福田平八郎は、最初は緻密な写生画から始めたが、徐々に対象の特徴をデフォルメしてとらえたデザイン画のような方向に作風が変化していったようだ。今回展示されていた「芥子花」や「筍」といった作品は後の方の作品で、モダンな印象ではあるが、私は「牡丹」のような初期の写生的な絵の方が断然好きだと思った。ただ、ミュージアムショップの小さなポストカードで見ると「牡丹」の良さはあまり伝わらず「芥子花」の方が良く見える。
他に、福田平八郎が影響を受けたという、いわゆる「琳派」の作品として尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一らの作品が展示されていた。私は酒井抱一の絵がどうやらすごく好きのようで、以前別の美術館でも「お、いいな」と思った絵酒井抱一のものであることが多かった。今回も、抱一の絵は一際よく見えた。植物・動物ともに色がきれいで、姿形が美しく書き込みが細密。くっきり、はっきり、わかりやすく美しい。多分自分は抽象的なものの良さがあまりわからず、具体的なものに惹かれるのだろう。
展示を一通り見た後、併設の和カフェ「Cafe 椿」へ。和菓子の甘さと日本茶にほっとする。

https://x.com/yamatanemuseum/status/1780430990974066731
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今回、初めて山種美術館に行ってみたが、ガラスケースから作品まで1mくらい距離がある美術館も多い中、山種美術館は奥行き10cmくらい?の平べったいガラスケースに展示物が納められており、かなり間近で細部までじっくり眺めることができる。いい美術館だな、と思った。そこそこお客が入っていたこともあり、あまり正面で長時間占拠するわけにはいかなかったがとても楽しめた。