前から気になっていた、田谷の洞窟に行ってきた。場所は横浜市栄区。近所というほどではないが、かろうじて自宅から徒歩で行ける範囲にある。
田谷の洞窟は、真言密教の修禅道場、要するに密教の修行をする場所とのこと。洞窟自体はかなり昔から原型があったようだが、鎌倉時代に、鎌倉幕府の御家人であった和田義盛の三男、朝比奈三郎義秀によって開かれたと言われているそうだ。
洞窟は、定泉寺(じょうせんじ)というお寺の境内から入る。
こちらが定泉寺。大きくはないが、きれいで気持ちの良いお寺だった。
受付の寺務所で拝観料を払うと、ローソクを渡される。写真のような板ベラにローソクをつけて洞窟に入る。ちょっとドキドキする。
こちらは受付でもらえる地図。思っていたよりずっと広い
洞窟の入り口。
残念ながら、中は撮影不可なのでここからは文字となる。
洞窟内は暗いが、適宜照明があるのでローソクが消えても歩くには困らない。また、道は平らで意外と歩きやすい。順路に従って洞窟内を進んでいくと、壁面にいくつもの彫刻が浮き彫りになっている。獅子と龍に始まり、十二神将、種子曼荼羅(梵字で仏を表す曼荼羅)、五大明王、十八羅漢。さらに、秩父三十四、西国三十三、坂東三十三の観音霊場。四国八十八か所。なんというか、全部入り。とにかく数が多い。これを設計した人は、かなりの完璧主義者ではなかろうか。
洞窟の中は、鎌倉時代から江戸時代に渡って徐々に拡充されて現在の形に至ったものらしい。考えると色々不思議ではあるのだが、結構お客が多く、あまりじっくり見ていると邪魔になってしまう。神秘的な雰囲気に浸りきれなかったのは残念である。(あと、ローソクの火をうっかり他のお客(特に小さな子供)に当ててしまわないか心配で気が気ではなかった)
洞窟の成り立ち、歴史を頭に入れた上で拝観するとかなり楽しめるんじゃないかと思う。今日のところは結構駆け足になってしまったが、受付で田谷の洞窟について詳しく説明した本を買ったので、これ見て勉強した上でまた再訪したいな。