課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

日比谷図書文化会館~三菱一号館美術館へ

先週の日曜日、3月2日。この日は春めいて暖かかった。冬の間はシーズンオフとばかりに、最寄り駅を超えた外出を頑なに拒否していた奥様であったが、久しぶりに一緒に出掛けることにしたのである。

 

今回は、日比谷公園内を散策し、その後皇居の堀に沿って散歩をしながら、三菱一号館美術館へ移動して「異端の奇才ビアズリー」展を観賞する計画とした。私の最近の興味は日本美術(少し広げても東洋美術)に偏っていたのだが、奥様は日本美術にはさほど興味がないので、今回は英国画家の展覧会で楽しんでもらいたかったのである。 

まずはJR新橋駅で降りて、そこからポテポテ15分くらい歩いて日比谷公園に向かう。私は昔、少しだけ日比谷公園の近くで働いていたことがあったので、少し懐かしい気持ちになった。

 

しかし、ここで一つ誤算があった。なんとこの日は、東京マラソンの開催日であり、交通規制で日比谷通りを横断できないのである。地図でみるとこんな感じである。

沿道に控えるスタッフの方にお伺いしたところ、地下道を通って渡ってくださいとのこと。東京マラソンに関しては全く関心の外だったので、こんなこともあるんだなと勉強になった。

 

さて気を取り直して国会通りの向かいから、日比谷公会堂を眺める。歴史ある立派な建物である。なお、現在は改修工事中のため、残念ながら中には入れない。

 

さて、この日は日比谷公園内にある「千代田区立 日比谷図書文化会館」に行ってみた。

昔は東京都立日比谷図書館だった記憶があるが、2011年に千代田区に移管され、現在の名前に変わったらしい。図書館と併設でミュージアムがある。この日の展示は「実録 桜田門外の変」。

 

安政七年(1860年)、江戸幕府大老井伊直弼が攘夷派の浪士に暗殺された有名な事件を、当時の記録や浮世絵等の絵画から、多角的にたどる企画である。

 

日本史好きの私はぱっと見て「これは面白そうだ!」と思ったのだが、奥様は明らかに浮かない顔をしている。でも、付き合ってくれたのである。ありがとう、奥様。

 

館内は基本的に写真不可だが、一部写真が撮れるものがあった。

 

これは大蘇(月岡)芳年による「安政五年三月三日水府之脱士等芝愛宕ノ山上ヘ集会に及ビ旧主ノ鬱憤ヲ散ゼン為大老彦根侯ヲ撃殺ト雪中ニ密計ヲ評定シ余波ノ宴を催ス図」とのこと。

 

やたら長いタイトルだが、桜田門外の変の前に水戸の浪士たちが芝の愛宕山に集まった時の模様を描いたもののようだ。「旧主ノ鬱憤ヲ散ゼン為」は、おそらく安政の大獄による鬱憤を晴らすため、ということかなと思った。

 

こんな感じで、桜田門外の変について事件前の社会情勢から、事件当日の浪士たちの詳細な足取り、そして事件がその後の社会、文化に与えた影響まで、浮世絵を見ながら学ぶことができる。展示は分量も程よく、それほど疲れずに1時間くらいで見て回れるものだった。

 

私的には満足だったが、意外なことに奥様も思っていた以上に面白がっていたようだ。どうも、殺害現場の詳細な地図、目撃者の証言、犯人たちへの詮議の様子など、当時の実物資料によって得られるリアリティが、ミステリファンの奥様の心を掴んだようだ。

 

さて、ここからお昼を挟んで三菱一号館美術館へ向かう。しかし、ここでまたしても我々の行く手を東京マラソンが阻んだのである。当初プランでは、ポテポテと皇居前のお堀を眺めながら美術館に向かうつもりだったのだが、ここが全面通行止めだったのだ。地図でいうと、青い線のコースで行こうとしていたのだが、緑色のルートをとることを余儀なくされてしまった。

ちなみに、赤い線が東京マラソンのコースであり、ここはそもそも通ることができない。緑色のルートは、実は地下鉄有楽町駅から続く地下道を通るのである。ここも、すぐにこの道が分かったわけではなく、一度地上からマラソンコースに突き当たって渡れず、何回か行きつ戻りつしてようやく地下のルートを見つけたのだった。しかも、地上も地下も、マラソンの応援に来た人々で混雑している。ここで美術館に到達する前に、我々中年夫婦はぐったりくたびれてしまったのである。

 

やっとたどりついた三菱一号館美術館疲労困憊していたが、建物の美しさに若干癒される。

 

館内は、いくつか写真を撮れる場所があった。これはチラシにもなっていたサロメの挿絵。いいなぁ。

 

これはエドガー・アラン・ポーの「黒猫」の挿絵。全く可愛くない黒猫ちゃん・・・

 

ビアズリーの挿絵は雰囲気があってよかったけど、展示ボリュームも多く、いかんせん疲れ過ぎていて集中力が続かなかった。あと、結構混雑していてゆっくり見られなかった。ハシゴせず、平日のすいてそうな時にここだけ行ったらもっと楽しかったかも。

 

長くなったのでこの辺にしておこう。疲れたけど楽しかったです。