6月1日、日曜日。前日は雨で5月とは思えない寒さであったが、この日は晴れて気温も上がって来た。暑すぎず、寒すぎず。これは出かけなければならない。ということで、奥様と二人、東京都文京区にある小石川植物園に行ってきた。訪れるのは生まれて初めてである。
ちなみに、私はにわか樹木ファンである。ここ1~2年くらいの間、急に樹木が気になりだし、図鑑片手に一生懸命樹木の見分け方を覚えようと必死になって公園を散歩している。奥様には図鑑受け売りの蘊蓄話などをたまに披露したりして煙たがられている。
地下鉄丸ノ内線の茗荷谷駅から徒歩で20分くらいで到着する。こちらが正門だが、まるで学校の裏門のような趣きである。
今回はじめて知ったのだが、小石川植物園というのは通称で、正式名称は「東京大学大学院理学系研究科付属植物園」という。あくまで研究施設だけど、一般にも開放している。たしかに、観光客に媚びる雰囲気が全くない。非常に硬派な印象である。
園内地図。敷地内は約16万㎡。平方メートルで言われると感覚がつかめないが、長方形に近いのでGoogleマップでざっくり計ってみると横700m×縦230mくらいという感じであった。散歩するにはちょうど良い大きさだが、1日で隈なく回ろうと思うと結構疲れそうだ。
いくつか印象的だった植物の写真をべたべたと貼っていきたい。
まず、巨大なヒマラヤスギ。写真にすると全く伝わらないのだが、実物はかなりの大木で迫力がある。名前はスギだけど実はマツで、マツボックリができるそうだ。図鑑で見ると比較的まっすぐ伸びると書いてあるのだが、これはまるで水牛の角のようだ。
これは「ニュートンのリンゴ」。万有引力の発見に寄与したと言われる超有名なリンゴのようだ。説明書きによると、ニュートンの生家にあったリンゴの木を接ぎ木して各国に分譲されているとか。「ケントの花」という品種で、ネットで調べると、残念ながら味は現代のリンゴに及ばないようで、現代では食用されていないようだ。
温室も入ってみる。
これは「万象」。ハオルチアという多肉植物の一種だとか。植物というか、鉱物みたいだ。不思議だなぁ。
これも多肉植物。名前をメモし忘れたけど、質感が魅力的だ。
これもなんとも魅力的な質感と模様だ。名前をメモってない・・・
これも名前がわからないけど、なんとも不思議な模様である。
モナデニウム・シューベイというサボテン。鉢から這い出してうねっている。
温室は普段見られない外国の植物がいっぱいあるので面白い。
また屋外へ。巨大なクスノキ。びっくりするほど大きいのだが、写真だと全く伝わらない・・・
ボダイジュの花。
モミジバスズカケノキ。プラタナスともいう。ボコボコ、ゴツゴツした感じがいい。スズカケノキはたまに家の近所の公園でも見かけるけれど、なんか雰囲気が違うなー。
園内にある日本庭園。写真だと全く良さが伝わらないのだけれど、様々な、微妙に葉の色の違う気が重ね合わせるように植えられて、なんとも美しいのである。
ウツギ・・・と書いてあった。源氏物語にも出てくる花。ネットで見た写真と姿かたちがなんとなく違う気がするなぁ・・・
花しょうぶはきれいに咲いていました。
これは今回一番印象に残った樹木。ラクウショウ。これだけ見るとそれほど変わったところもないように見えるけど・・・
近辺にこんな奇妙な突起がぼこぼこと出ている。これは、ラクウショウの根が地面から突き出ているのだとか。不思議だなー。
アイグロマツ・・・アカマツとクロマツの交雑種だそうだ。大きく樹皮がヒビ割れたような感触がなんともカッコいいのである。
ミズカンナ。うちわになりそうな大きな葉っぱが印象的である。
ヒメグルミの実。食べられるらしい。
バショウの葉。大きい!
園内をぐるりと一周して正門に帰ってきたところで打ち止めして帰宅することにした。結構歩いたので疲れてしまったのである。
小石川植物園には普段公園などで見かけるメジャーな樹木(イチョウやクスノキなど)もたくさん植えられているが、ちょっと公園とは違う見え方がするように感じた。公園の樹木はやはり人々を和ませるために手入れされている感じがするのだが、こちらはなんとなく荒々しいというか、野性的というか。
あと、ほとんどすべての植物に名前が名札がついているのがうれしい。名札があると、あ、これ図鑑でしか見たことないやつだ!とわかるので、テンションが上がるのである。
おまけ。植物園正門入口の受付では猫がスヤスヤと営業妨害。リラックスしすぎである。