8/27日以来、15日ぶりの投稿になってしまった。先々週あたりから少々仕事が忙しくなり、疲れが溜まったのか1週間前に風邪を引いた。そこから喉の痛みと咳と微熱がなかなか治まらなかったのである。昔は風邪ひいても1日寝れば治ったんだけどなー。これだから中年はイヤである。あと、暑すぎてエアコンが切れないので喉が乾燥しがちなところも治りを遅くした原因かもしれない。とはいえ、ようやく昨日あたりに快方に向かい今日は頭もすっきり。熱は引き、軽い咳だけが残っている。病み上がりだし、この三連休は家でおとなしくブログでも書いて過ごそう。
さて、今回の読書感想は青崎有吾さんのアンデッドガール・マーダーファルスの第一巻である。これまで読んだ青崎さんの作品は高校生が主人公のミステリ作品ばかりであったが、本作は表紙から見て何やら全くことなる舞台設定らしい。予備知識ゼロで読み始めたのだが・・・いやー、これがなんとも傑作であった。やっぱり青崎さんは天才である。
ちなみに、本書はその舞台設定自体が最初謎めいており、そこが徐々に明かされていくところが序盤の醍醐味である。従って、何も知らないまま読み始めた方が絶対楽しめるのだが、その部分のネタバレを避けようとするとブログには何も書くことがなくなってしまう。したがって、その世界設定の部分についてはネタバレを気にせずに書くことにするので、未読の方は以降、ご注意ください。
本書は、ジャンルでいうと特殊設定ミステリに分類されると思う。中編二本が収録されており、一本目は「吸血鬼」、二本目は「人造人間」というタイトルである。両方とも超有名な外国のモンスターから来ていることはすぐにわかる。
主人公は、"怪物事件"専門の探偵「輪堂鴉夜(りんどうあや)」と、その助手の「真打津軽(しんうちつがる)」の二人である。
「怪物事件」というのは、文字通り怪物が関わっている事件のこと。この小説世界では、怪物が普通に存在するものとして扱われている。で、怪物が必ずしも加害者ではないところが本書のミソで、一本目は妻を殺された「人類親和派」の吸血鬼が真相の究明を、探偵である鴉夜に依頼する。凶器はなんと、銀の杭と聖水・・・この非現実な設定の中で、青崎さんならではの緻密な本格推理が繰り広げられるのである。
そしてもう一つのミソは、被害者の怪物は結構まともで常識的なのに、探偵役の二人の方がかなりイカレていることである。
まず、助手の真打津軽は半人半鬼。この世界では鬼は攻撃力最強の怪物とされており、とんでもなく強い。元は怪物を退治する人間だった津軽が、ある男に騙されて半人半鬼に改造されてしまい、そいつに復讐するというのがシリーズを通じたテーマになっている。この津軽が、江戸っ子で噺家みたいなしゃべり方で、TPOをわきまえない人を食ったようなギャクを連発し、周囲を凍り付かせるところが面白くてしょうがない。
そして、探偵役の輪堂鴉夜は、首しかない少女で鳥籠に入っている。正体はフシ(不死)という妖怪で不老不死の961歳。これまたある男によって胴体を奪われたまま死ぬこともできず、そいつを探して胴体を取り戻そうとしている。鴉夜もまた、推理は天才的だが、不敵なキャラで、胴体がないことをよくギャグのネタにしている。
そしてもう一人、鴉夜の使用人・馳井静句。静句は、鴉夜に対しては絶対忠誠を誓いながら、津軽を極端に敵視しており、妙に冷たいところがこれまた面白くてしょうがない。
この三人が織りなす掛け合いにいつも笑わせられ、永遠に読んでいられる気がする面白さなのである。
青崎さんは高校生シリーズものも面白かったけど、このシリーズは1作目で心を鷲掴みにされてしまった。
実は続きも図書館に予約して受け取り待ちになっていたのだけど、風邪で図書館に取りに行けないまま期限切れで流れてしまった。再予約するか。
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