課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

読書「アンデッドガール・マーダーファルス3」青崎有吾

青崎有吾さんのアンデッドガール・マーダーファルス3作目。相変わらずとっても面白かった。このシリーズ、ほんと好きです。

前作で、モリアーティ教授率いる《夜宴(バンケット)》一味の次の狙いが人狼であることがわかった。人狼が住むと言われる〈牙の森〉を探す上で鍵となるブラックダイヤ〈最後から二番目の夜〉」を《夜宴》から掠め取った《鳥籠使い》一行は、先回りするように南ドイツへ向かう。情報を得るため、古来から人狼が出ると伝説のあるホイレンドルフと呼ばれる村に立ち寄ったところ、そこではまさに、人狼の仕業と思われる少女連続殺人事件が発生していた。

 

シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパンに加えて、オペラ座の怪人八十日間世界一周のフィリアス・フォッグまで登場させた前作の「2」は、全員主役級の個性豊かなキャラクターたちがそれぞれ暴れまわり、収拾がつくのか心配になるようなパワフルな作品であったが、本作「3」は「1」の時のコンセプトに戻したように思える。すなわち、怪物の特性を生かした本格ミステリ作品である。「2」はもちろん、とびきり面白い作品だったのだけれども、青崎さんに期待するのははやり緻密な謎解き。「3」はそれが存分に楽しめる作品だと思う。

 

被害者は、ホイレンドルフに住む足の悪い少女・ルイーゼ。ある日、ルイーゼの自室から大きな破壊音が聞こえる。両親は駆けつけるが、内鍵が掛かっており、中に入ることができない。父親が猟銃でドアを突き破った時、室内はもぬけの殻であった。部屋は荒らされており、人狼と思われる足跡と、破られた窓が残されていた。明らかに人狼の犯行としか思えず、古来から人狼と敵対し続けていた村人たちは怒り狂うのである。

 

ただ、もちろん、事件はそんなに単純ではない。章の合間合間に、ある人狼の少女と、被害者ルイーゼについて、過去の哀しい物語が挿入される。これが、本筋の事件と一体どう絡むのか?

 

相変わらず、真打津軽はお調子者噺家キャラで笑わせるし、静句とカーミラの因縁対決、保険機構ロイズのキテレツな新キャラ二人など見所は多数ある。

でも、本作の主役は、やはり怪物専門探偵・輪堂鴉夜と、事件の犯人。全472ページと長いけど、たるむことなく読ませます。

 

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