課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

読書「聖なる怠け者の冒険」森見登美彦

森見登美彦さんの長編小説。京都を舞台としたコメディ&ファンタジーとでもいおうか。きっと好きな人は好きなんだろうけど、残念ながら個人的にはあまり乗れなかったのである。

 

相変わらず仕事が忙しい。ここ数年で一番忙しいのである。幸い本を読めるくらいの時間はあるが、逆に本を読む以外の余暇を過ごせていない。五十を過ぎて身に染みたのは、労働時間が長くなると、一晩寝ても疲れは取れず溜まって行く。つくづく8時間以上は働けない体になってしまった。

 

そんな中、図書館で手に取ったのがこの本であった。表表紙は、なんだかわからない動物のお面をつけた怪人。裏表紙は「天狗ブラン」なるお酒のボトル。ゆるそうでいいなぁ。疲れているときに読むのにぴったりそうだ。

 

作者は森見登美彦さん。初読みである。いや、正確にいうと、一冊完読したのが初めてである。かなり昔、「夜は短し歩けよ乙女」という本が話題になった時に読んでみようと思ったことがあったのだが、独特のノリになんだかついて行けず、挫折してしまった。ただ、人気のある作家さんなのでいつかもう一度読んでみたいと思っていたのである。

 

主人公は、京都の研究所に勤める怠け者のサラリーマン・小和田君。休日はどこにも行かず家でゴロゴロすることをこよなく愛する怠け者である。しかし、土日を分刻みのスケジュールで遊び続けることに生きがいを感じる先輩の恩田さんとその恋人桃木さんから、頻繁に遊びの誘いを受けている。また、研究所の所長には若いのに休日に何もしないのはいけない、もっと全力で遊びなさい、などと説教を食らってしまう。しかし小和田君はそう言った声に全く耳を傾けない。怠けたい欲求を堂々と周囲に宣告し、怠け者であることを恥じるそぶりも見せない。鉄のような男なのである。

 

そして、本書のもう一人の主人公は「ぽんぽこ仮面」である。ぽんぽこ仮面は、京都市内に出没する、狸のお面と黒マントの怪人である。しかし彼は、その怪しい外見とは裏腹に、人に親切にすることをモットーとし、数限りない場面で京都の町の人々を助けてきた。はじめは通報されたりもしていたのだが、徐々に受け入れられ、今では英雄のような扱いを受けている。そしてこのぽんぽこ仮面が、自身の後継者として選んだのが、なぜか小和田君なのであった。

 

物語は、この小和田君とぽんぽこ仮面、それから、探偵に憧れて、週末アルバイトで探偵事務所で働く玉川さんという女性を中心に展開していく。

 

なんとなく、面白そうな雰囲気はある。イラストも良い。しかし、ページがなかなか進まない・・・。

 

ある意味、緊張感のない登場人物とストーリーなので、本書を楽しめるかは、本書の独特な語り口を楽しめるかどうかにかかっていると思う。ところどころクスッと笑えるところはあるのだが、笑いのツボが自分に合わないというのかなぁ。現実感が希薄なキャラクターたちの台詞まわしは、常識とのずれを笑うものなのだろうけど、個人的にはもっとわかりやすいのが好きである。あと、京都の街が舞台になっているのだが、自分が京都に土地勘がないのもマイナスに働いたと思う。具体的な地名がたくさん出てくるので、もしかすると京都にお住まいの方は、腹を抱えて笑えるのかもしれない。でも、自分的には置いてけぼりなのである。

 

少々辛口なことを書いてしまったけど、単に自分に合わなかっただけだと思います。まあ、たまにはこういうこともあるということで。

 

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