5月3日、日曜日。半年ぶりくらいに寄席に行ってみることにした。浅草演芸ホール、鈴本演芸場、新宿末廣亭の三つのうちどこにしようかと、ホームページでプログラムを見て迷った挙句、今回は新宿末廣亭に決めた。夜の部で真打昇進披露興行を開催していたためである。私がこれまで寄席に行くときは、なんでもない土日が多かったのだが、今回はゴールデンウィーク真っ只中。混み具合はどんなものだろう?
都営新宿線の新宿三丁目駅から歩いてすぐ。開演40分前の16:05に末廣亭の前に到着したところ、既に多数のお客が待っていた。前回訪れた時は、昼の部の途中から入って夜の部まで居られたのだが、今回は昼夜入れ替え制なのである。
入場のための列がなかったのでどうしていいのかわからず一瞬戸惑ったが、入り口付近で係の方が整理券を配布していることに気が付く。もらった番号を見ると、122番。おお、こんなに後ろは初めてだなぁ。さすがゴールデンウィーク、さすがは真打昇進披露興行、といったところか。笑点司会の春風亭昇太さんが出演するのも大きいかもしれない。末廣亭の座席は一・二階があり、一階だけでも椅子117席と桟敷が左右に32席ずつなのでまあ座れないことはなさそうだが、前の方はあきらめた方がよさそうである。
そうこうしているうちに、案内係の男性の仕切りで整理券の若い方から10人ずつ、手慣れた感じでテンポよく列を作っていく。16:15頃、昼の部のお客が全員出たところから入場開始。そこから15~20分くらいだろうか。座席に通された時に、1Fの椅子席は9割方埋まった状態であった。スタッフの方の案内で、後ろから二番目の列のど真ん中の席に落ち着いた。最終的には二階まで満席のようである。今まで来た寄席の中で、一番の盛況であった。
さて、今回真打に昇進されたのは、春風亭昇吾、桂竹千代、雷門五郎、昔昔亭喜太郎の四名。ニワカ落語ファンの私としては、四名とも今回初めてお名前を知った方ばかりである。ごめんなさい。今日の主任は五郎さんだが、他の三名も一席ずつ出番がある。
心に残ったものについて、メモと感想など。
ねづっち
有名人なので生で見られてうれしい。漫談だが、テレビで見た時の何倍も面白い。最後に3題、お客からの注文に応じた代名詞の謎かけを行う。今日のトリの「雷門五郎師匠」というお題に対して「昔の五郎師匠とかけて、今の五郎師匠とときます。その心は、どちらも口座(高座)を大切にします」五郎師匠は、元銀行員だそうだ。これが即興で出るのかー。上手すぎて感動した。
桂竹千代・・・真田小僧
マクラでは、トリの五郎さんの人柄について語る。お二人は入門時期が近く仲良しの様子。五郎さんの人間性の良さをべた褒めしつつもたまに落として笑いを誘っていた。演目は「真田小僧」。父親からうまいことを言って小遣いをせびる子供の噺だが、生意気と愛嬌の間くらいをうまく演じていて楽しかった。
春風亭昇太・・・鷺とり
生で見るのは初めてでテンション上がった。しかし66歳とは思えない若々しさだなぁ。演目は鷺とりで、夜に寝ている鷺をぶん殴って捕まえて金儲けをしようとたくらむ男の噺。鷺になりきって演じる様は爆笑もので、特に罠にかかって気絶する時の「くぅーん」みたいな声が忘れられない。文章で書いても全く伝わらないけどほんと面白かった。
真打昇進披露口上
今回、一番楽しみにしていた。四人の新真打を、それぞれの師匠が紹介する。ただの紹介ではなく、それぞれ落ちを入れて爆笑を誘っていた。印象に残ったのは竹千代さんの経歴。古代日本文学で修士を取っていて、「落語DE古事記」なる著書もあるとか。読んでみたい。でも、それを差し置いて自分の著書を宣伝しまくる師匠の竹丸さんがとにかく面白かった。最後は会場含めて三本締め。昇進ていうのはいいね。こっちも嬉しくなる。
春風亭昇吾・・・平林
真打昇進が発表されてから、生存率の低い難病でしばらく入院されていたとか。そこからの復帰は本当に素晴らしいこと。入院中のエピソードなども笑いを交えて話されていた。演目は「平林」。字が読めない小僧が、平林という家に手紙を届けに行くようお使いを頼まれるが、道行く人と話しているうちに行先を忘れてしまう。先々で会った人々に「平林」の読み方を尋ねるが、「たいらばやし」とか「ひらりん」とか微妙に違う読み方ばかりをされてしまう、という噺。少々アレンジも加えられていて楽しかったです。
昔昔亭喜太郎・・・お見合い中
昔昔亭喜太郎さんの師匠の桃太郎さんは、昨年末に他界されたばかりということで、今回は師匠が作ったという落語「お見合い中」を演じていらっしゃった。これまで何十回もお見合いを断られてきた男が、結婚できれば誰でもいいとまたお見合いするが、相手の女がとんでもなくサバを読んでいて、という噺。男のポンコツぶりと女のヤバイ感じが面白かった。
雷門五郎・・・宿屋の仇討ち
新真打の一人で本日の主任。色々な方がその人間性の良さをほめていたが、噺も上手で引き込まれる。演目「宿屋の仇討ち」は、静かな宿を求めてある宿屋に泊まった侍と、同じ宿屋で大騒ぎをする三人組の話。妙に偉そうな侍、お調子ものの三人組に対して、その間で行ったり来たりする宿屋の手代が笑える。
寄席楽しい。また今度行こう。
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