課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

鎌倉散歩、寿福寺から英勝寺、鏑木清方記念美術館、鎌倉国宝館へ

今日は鎌倉へ。紅葉には早いとは言え、気候の良い秋の鎌倉はやはりごった返していた。ただ、小町通りなどを避ければ案外静かで落ち着いた雰囲気が楽しめる。今日夫婦でまず向かったのは寿福寺と英勝寺。奥様が「鎌倉 穴場」でわざわざ検索して見つけだしてくれたお寺で、若宮大路とは反対側の鎌倉駅西口側にある。改札を出て西に向かい、市役所前で右に折れて今小路をしばらく進むと、外門が見えてくる。

正式名称は亀谷山寿福金剛禅寺(きこくさんじゅふくこんごうぜんじ)というそうだ。「かめがやつ」、ではなく「きこく」と読むのが意外。元は源頼朝の父である源義朝の旧邸があった場所で、頼朝死去後に北条政子が、僧・栄西を開山として建てたそうだ。ちょうど吉川英治の新・平家物語を読んでいるのでこのあたりの人物関係は頭に入っている。境内に入りしばらくまっすぐ進むと、山門が見えてくるが、ここから先には進めない。

 

山門から中を覗いた様子。とっても美しい。仏殿の左手にある大木が、案内板に書かれていた柏槇(ビャクシン)かなぁ。

境内を左手に回り込んでいくと墓地になり、高浜虚子のお墓や、北条政子源実朝のお墓がある。写真を撮ってブログに乗せるのは気が引けたのでやめておく。

 

境内にあった赤い実がとてもきれいだったが、名前がわからない。

 

次に今小路をもう少し先に進み、英勝寺へ。こちらは江戸時代に建てられた尼寺。太田道灌の子孫で家康の側室でもあったお勝の方が創建とのこと。元は太田道灌の屋敷だったそうだ。

 

拝観料は300円。受付の方がとても感じが良かった。お寺に接客の良さを求めるものではないけど、やっぱり気持ちがいい。


山門。スタイリッシュでカッコイイ。

 

こちらが仏殿。これもかっこいい建物。

 

仏殿の中には本尊の阿弥陀三尊像が安置されており、小窓から拝むことができる。運慶作と伝えられているとか。中の写真は気が引けたので撮らなかった。

 

 

聖観音像。比較的新しいだろうか?日本の仏像っぽくない造形。

 

ちょっとした洞窟もある

 

洞窟の中には如来坐像。

 

こちらは書院。これまた美しい建物。

 

英勝寺は見どころたくさんの良いお寺だった。

 

その後、鏑木清方記念美術館そばにあるカレー屋さんに入る。チキンカレーおいしかった。一緒に添えられた鎌倉野菜の素揚げがカラフルで気が利いている。塩味が結構利いているが、よく噛むと野菜の甘味がじんわり感じられておいしい。

 

そこから鏑木清方記念美術館へ。逆光で写真はいまいちだけど、風情のある建物である。

 

この美術館に来るのは2回目。今回の展示は「あふれる詩情と浪漫  ―鏑木清方と中澤弘光―」。鏑木清方美人画を得意とする明治から昭和の初め頃に活躍した日本画家で私も大好きである。今回の展示だと「秋宵 」という作品が良かった。

秋宵 | 鎌倉市鏑木清方記念美術館

女学生が、洋館のテラス?のようなところで、バイオリンを弾いている。清方が、妻の照をモデルに描いたそうだ。和装にバイオリンという少しミスマッチな組み合わせが、なんとも良いのだ。

もう一人の主役である中澤弘光については、今回初めて知った。清方が尊敬していた先輩の洋画家とのこと。残念ながら私的にはそれほど好みではなかった。洋画なので立体的で陰影があり、より写実的なのだが、私はすっきりした清方の日本画の方が好きだな。

 

作品は写真不可だったが、岩絵の具が写真OKだったので撮ってきた。青と緑の種類の多さに驚く。古代緑青とか鶸色とか名前も美しい。

 

最後に、鎌倉国宝館へ。鶴岡八幡宮内なので、行き道はものすごい混雑していたが、国宝館自体はゆったりとみられる。


鎌倉国宝館は、多くの仏像をケースを通さず間近で見られる素晴らしい美術館で、今年は4回くらい行っている。常設展の方は、いつも概ね同じ仏像が展示されているのだが、たまに展示替えがある。円形の室内は中央に薬師三尊像、それを囲むように十二神将像が配置されている。さらにそれを外周から取り囲むように様々な仏像たちが配置され、観覧者は十二神将と外周の仏像の間を通ってじっくり鑑賞できる。いつ行っても良い。いつもは一人で行っているのだが、今日は奥様に国宝館のすばらしさを紹介できたので満足であった。(少々眠そうではあったが)