綾辻行人さんの館シリーズ三作目。仕掛けが盛りだくさんで楽しめる作品だった。
大昔に読んだはずの館シリーズ読み直し三作目である。例によって内容はほとんど覚えていなかったので、全く新しい作品として読めた。
大物推理作家・宮垣葉太郎が、自らの還暦記念パーティのため、自宅である「迷路館」に気心のしれたメンバーを招集した。四人の若手ミステリ作家、一人の評論家、一人の編集者とその妻、そして「ミステリマニア」島田潔の合計八人。館に到着後、主人の登場を待つ八人であったが、なかなか姿を見せない。そんななか、宮垣の秘書・井野が告げたのは、宮垣の自殺。遺書には、この場で四人のミステリ作家に短編小説を競作させて、最も優れた作品を書いた者に宮垣の莫大な遺産を相続させると書かれていた。
本書の凝ったところは、プロローグとエピローグを除いて、鹿谷門実なる人物が書いた推理小説となっている点である。表紙や奥付、あとがきなんかもちゃんとある。「迷路館で発生した実在の事件」をもとにした推理小説という体で話が進む。鹿谷聡実は、作中の登場人物の中の一人だが、それが誰なのかは読んでみてのお楽しみ、という趣向である。
館の中で、一人、また一人と人が死んでいく展開はクローズドサークルミステリーに典型的なものだけど、サスペンスの描き方がうまいのか、ぐっと引き込まれてしまう。不可解な謎がいくつもちりばめられていて飽きさせない。最終盤に至るまで、驚きの連続で、シンプルな感想になってしまうけど、とにかく面白かった。終盤は一気読みでした。






