課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

読書

読書「鬼平犯科帳3」池波正太郎

鬼平犯科帳の三巻目。巻が進んで面白さに深みが増してきた。 鬼平犯科帳(三) 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 本巻には、短編6本を収録。前巻までと決定的に違うのは、冒頭の「麻布・ねずみ坂」を除いて平蔵が火付盗賊改メ方の長官を解任されていること…

読書「デスチェアの殺人」M・W・クレイヴン

9月に日本で翻訳版が発売されたばかりのワシントン・ポーシリーズ6作目。期待に違わぬ面白さで一気読み。でも今回はちょっとヘビーだったなぁ。 ※決定的なネタバレはしませんが、内容には触れるので未読の方はご注意ください。 デスチェアの殺人 上 ワシン…

読書「名探偵の生まれる夜 大正謎百景」青柳碧人

大正時代を舞台に、実在の人物を登場させたミステリー短編集。ものすごく面白い、というわけではないけれど、軽い読み心地の肩が凝らないミステリーという感じで楽しめた。 ※決定的なネタバレはしませんが、内容には触れるので未読の方はご注意ください。 名…

読書「鬼平犯科帳2」池波正太郎

言わずとしれた鬼平犯科帳の第二巻。今回も面白かった。 鬼平犯科帳[決定版](二) (文春文庫) 作者:池波正太郎 文藝春秋 Amazon AmazonからISBN検索で貼り付けたらアニメっぼい表紙のものが出てきた。アニメ化されてたのか。ちなみに私が読んだカバーはこれ…

読書「インシテミル」米澤穂信

米澤穂信さんの長編ミステリー。とっても面白かった。 ※決定的なネタバレは書きませんが、内容には触れるので未読の方はご注意ください。 インシテミル (文春文庫) 作者:米澤 穂信 文藝春秋 Amazon 当ブログで米澤さんの作品について書くのはこれが初めてだ…

読書「オランダ宿の娘」葉室麟

初読みの葉室麟さんによる、シーボルト事件に題材をとった時代小説。それなりに面白く読めたけど・・・ちょっと微妙かなぁ。 ※決定的なネタバレはしませんが、内容に触れますので未読の方はご注意ください。 オランダ宿の娘 (文春文庫) 作者:葉室 麟 文藝春…

読書「民話の世界」松谷みよ子

児童文学作家の松谷みよ子さんによる民話紹介。民話の奥深さと魅力を伝えてくれるとっても良い本だった。 民話の世界 作者:松谷 みよ子 PHP研究所 Amazon 本書は、1974年に出版された講談社現代新書「民話の世界」に加筆・修正を加えて2005年にPHP研究所から…

読書「覚悟の人」佐藤雅美

2027年大河ドラマの主人公・小栗忠順を描く歴史小説。感情を極力排し、まるでノンフィクションのような読み応えの硬派な作品であった。 覚悟の人: 小栗上野介忠順伝 作者:佐藤 雅美 岩波書店 Amazon 本書を手にとったきっかけは、以前読んだこちらの新書「江…

読書「21世紀の落語入門」小谷野 敦

最近、落語が好きになったので一冊入門書を読んでみようと図書館で見つけた本。なんと、あの「もてない男」の小谷野敦さんではないですか。落語の本書いてたんだーと、少々懐かしい気持ちになって手に取った次第である。小谷野さん独自のこだわりが詰まった…

読書「オランダ商館長が見た江戸の災害」フレデリック・クレインス 著、磯田道史 解説

前回に続いて、江戸時代の歴史読み物。歴代のオランダ商館長が残した日記から、江戸時代の災害の実像を明らかにする。平易な文章で読みやすい上、江戸時代の火事や地震がリアルに感じられる好著だった。 オランダ商館長が見た 江戸の災害 (講談社現代新書) …

読書「江戸三〇〇藩 最後の藩主 うちの殿さまは何をした?」八幡和郎

1869年、明治政府が行った版籍奉還で消滅した藩の、最後の藩主を全員紹介するという歴史読みもの。色々学べたけど、正直読み通すのはかなりしんどかった・・・ 江戸三〇〇藩 最後の藩主 (光文社新書) 作者:八幡和郎 光文社 Amazon 本書は2004年刊の新書であ…

読書「アンデッドガール・マーダーファルス1」青崎有吾

8/27日以来、15日ぶりの投稿になってしまった。先々週あたりから少々仕事が忙しくなり、疲れが溜まったのか1週間前に風邪を引いた。そこから喉の痛みと咳と微熱がなかなか治まらなかったのである。昔は風邪ひいても1日寝れば治ったんだけどなー。これだから…

読書「図書館の殺人」青崎有吾

青崎有吾さんの裏染天馬シリーズ四作目。今度の舞台は、本好きならうれしい図書館。本作も面白かった。 図書館の殺人 作者:青崎 有吾 東京創元社 Amazon 時期は九月の半ば頃。風が丘高校は期末テストのシーズンである。風が丘高校は二学期制を採用しているの…

読書「まいまいつぶろ」村木嵐

村木嵐さんによる歴史小説。江戸時代、九代将軍・徳川家重と、家重に仕えた大岡忠光の主従を超えた関係を描く。歴史小説ではあるが、現代人にも訴えるテーマを持った良作だと思う。 まいまいつぶろ 作者:村木 嵐 幻冬舎 Amazon 本作は、第170回(2023年下半…

読書「鬼平犯科帳(一)」池波正太郎

言わずと知れた、池波正太郎さんの代表作の一つ。面白かった。 決定版 鬼平犯科帳 (1) (文春文庫) (文春文庫 い 4-101) 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 江戸中期に活躍した火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)の長官、長谷川平蔵が主人公となるこ…

読書「家康、江戸を建てる」門井慶喜

門井慶喜さんの歴史小説短編集。面白かった! 家康、江戸を建てる 作者:門井慶喜 祥伝社 Amazon 秀吉の計略で関東に転封させられた家康が自ら拠点と定めたのは、まさかの江戸城。当時の江戸は萱原で、度々水害に見舞われる貧しい土地だった。江戸の将来性に…

読書「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」青崎有吾

最近、お気に入りの作家、青崎有吾さんの「裏染天馬シリーズ」三作目。一言でいうと楽しかった。 風ヶ丘五十円玉祭りの謎 作者:青崎 有吾 東京創元社 Amazon 「体育館の殺人」「水族館の殺人」と、長編ミステリが続いていた裏染天馬のシリーズだが、三作目は…

読書「志ん朝の風流入門」古今亭志ん朝、齋藤明

落語家・古今亭志ん朝が、四季の風物を様々に語るエッセイ集・・・といっていいだろうか。すごく面白かった、とは言わないが読んでいて懐かしい気持ちにはなった。 志ん朝の風流入門 (ちくま文庫 こ 21-1) 作者:古今亭 志ん朝,齋藤 明 筑摩書房 Amazon 最近…

読書「水族館の殺人」青崎有吾

最近お気に入りの作家、青崎有吾さんのミステリー、裏染天馬シリーズの二作目。前作「体育館の殺人」同様、明るく楽しい作品だった。 ※決定的なネタバレはしませんが、内容には触れるので未読の方はご注意ください。 水族館の殺人 作者:青崎 有吾 東京創元社…

読書「古地図で読み解く 江戸東京地形の謎」

古地図と現代の地図を見比べて、江戸から続く東京のなりたちを明らかにする読み物。とっても面白かった。 新版 古地図で読み解く 江戸東京地形の謎 作者:芳賀 ひらく 二見書房 Amazon 実は最近、江戸時代の地図を見ながらの東京散歩にはまっている。先週は築…

読書「ボタニストの殺人」M・W・クレイヴン

ワシントン・ポーシリーズの5番目。続編が出る度にページ数が増えて、今回はついに上下分冊。でも、相変わらず長さは全く気にならない面白さだった。 ※決定的なネタバレはしませんが、内容には触れるので未読の方はご注意ください。 ボタニストの殺人 上 ワ…

読書「広重の浮世絵と地形で読み解く 江戸の秘密」竹村公太郎

久しぶりに、小説以外の読書記事。最近興味を持っている江戸時代の歴史読み物。なかなか面白かった。 広重の浮世絵と地形で読み解く 江戸の秘密 作者:竹村 公太郎 集英社 Amazon 本書は、国土交通省で河川技術者として活躍をしていた著者が、歌川広重の浮世…

読書「時計泥棒と悪人たち」夕木春央

夕木春央さんによる、大正時代が舞台のミステリー短編集。元泥棒の蓮野と画家の井口のコンビによるシリーズもの二作目。前作「絞首商會」同様、皮肉の効いた笑いを散りばめた楽しい作品だった。 時計泥棒と悪人たち 作者:夕木春央 講談社 Amazon 夕木春央さ…

読書「坊っちゃん」夏目漱石

実は読んだことのなかった夏目漱石の代表作の一つに今更ながら挑戦。古い小説ではあるが、平易な言葉で読みやすく楽しめた。しかし、読み終わってみると色々考えさせられるところもある小説であった。 ※ネタバレ気にせず感想を書きますので、未読の方はご注…

読書「天と地の守り人」上橋菜穂子

上橋菜穂子さんの守り人シリーズ最終章、天と地の守り人を読んだ。やっぱり名作。感動した。 ※前の巻含め、ネタバレ気にせず感想書くので未読の方はご注意ください。 天と地の守り人〈第1部〉ロタ王国編 (新潮文庫) 作者:上橋 菜穂子 新潮社 Amazon 天と地の…

読書「体育館の殺人」青崎有吾

青崎有吾さんのデビュー作、「体育館の殺人」を読んだ。高校が舞台の本格ミステリー。とても面白かった。 体育館の殺人 作者:青崎 有吾 東京創元社 Amazon ある大雨の日、体育館のステージの幕を上げると、放送部部長の朝島友樹が殺されていた。警察による捜…

読書「恐怖を失った男」M・W・クレイヴン

M・W・クレイヴン氏によるハードボイルド・アクション小説・・・とでも言おうか。700ページ近い大著だが、面白かった。同著者のワシントン・ポーシリーズとはまた違った魅力を持つ作品である。 恐怖を失った男 (ハヤカワ文庫NV) 作者:M・W・クレイヴン 早…

読書「グレイラットの殺人」M・W・クレイヴン

ワシントン・ポーシリーズの四作目。最初から最後までまったく飽きることなく夢中で読んだ。やっぱりこのシリーズは最高に面白い。 グレイラットの殺人 ワシントン・ポー (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者:M W クレイヴン 早川書房 Amazon カンブリア州で行…

読書「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」万城目学

小学生の女の子であるかのこちゃんと、猫のマドレーヌが主人公の小説。読みやすかったしそれなりに面白かった。しかし・・・残念ながら個人的にはあまりはまらなかった。 かのこちゃんとマドレーヌ夫人 (角川文庫) 作者:万城目 学 KADOKAWA Amazon かのこち…

読書「落花狼藉」朝井まかて

17世紀の江戸時代、吉原の女将の一生を描く、朝井まかてさんの時代小説。序盤は少々退屈に感じたが、途中からぐっと引き込まれ、最後は感動。素晴らしい作品だった。 落花狼藉 作者:朝井まかて 双葉社 Amazon 徳川家康の死去から1年たった、元和3年(1617)…