課長風月

疲れたサラリーマンの憩いのひと時

読書

読書「やりなおし世界文学」津村記久子

津村記久子さんによる世界文学案内92本。ほんと面白かった。世界文学の名作なんて普段あまり読まないけど、またチャレンジしてみようかな。 やりなおし世界文学 (新潮文庫 つ 34-4) 作者:津村 記久子 新潮社 Amazon ここ最近、自分が読んだ本の一覧をあらた…

読書「遠くまで歩く」柴崎友香

コロナ渦のころを舞台に、作者本人を思わせる小説家が主人公となる長編小説。時の移ろいに対して心を動かされる様を丁寧に掬い取る。ちょっと長く感じたけれど、歴史好き中年の私には、心に響く作品であった。 遠くまで歩く 作者:柴崎友香 中央公論新社 Amaz…

読書「占」木内昇

木内昇さんによる、占いにまつわる七本の連作短編集。占いでドツボにはまる人、あれよあれよと人気占い師になってしまう人。大正を舞台に、少々皮肉なユーモアと幻想を交えて描く面白い小説だった。 占 作者:木内 昇 新潮社 Amazon 木内昇さんの作品を読むの…

読書「シュークリーム・パニック Wクリーム」倉知淳

倉知淳さんによるユーモアミステリー短編集。「呑気で明るい本を書こうとしました」という作者の言葉通り、気楽に読めてとっても笑える作品だった。 シュークリーム・パニック ―Wクリーム― (講談社ノベルス クK- 5) 作者:倉知 淳 講談社 Amazon 倉知淳さんの…

読書「倫敦スコーンの謎」米澤穂信(及び、小市民シリーズについて)

4月30日に発売されたばかりの、米澤穂信さん最新作は、小市民シリーズ短編集。いずれも小品に見えて、語りの旨さと謎解きの鋭さで読ませる熟練の味という感じ。面白かった。 倫敦スコーンの謎 〈小市民〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:米澤 穂信 東京創元社 …

読書「鬼平犯科帳(五)」池波正太郎

五巻目は、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「兇賊」「山吹屋お勝」「鈍牛」の7編。 このシリーズ、四巻目くらいからさらに面白さが増してきた気がする。 新装版 鬼平犯科帳 (5) (文春文庫) 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 心に…

読書「夜更けより静かな場所」岩井圭也

岩井圭也さんによる、読書会をテーマにした連作短編小説。ぐっと引き込まれて、気付いたら一気読みであった。 夜更けより静かな場所 (幻冬舎単行本) 作者:岩井圭也 幻冬舎 Amazon 岩井圭也さんの著作を読むのはこれが6冊目。最初に読んだ「竜血の山」という…

読書「Yの悲劇」エラリー・クイーン / 中村有希訳

傑作と名高いエラリー・クイーンの長編ミステリー。現代のミステリー作品に比べるとテンポはちょっとゆっくりだけど、やっぱり面白かった。 Yの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫 Mク 1-2) 作者:エラリー・クイーン 東京創元社 Amazon 実は、エラリー・クイーン…

読書「5A73」詠坂雄二

初読み詠坂雄二さんの長編小説。行きつけの書店で大きく取り上げられていたので期待して読んだのだが・・・途中までは面白かったんだけどなー。 ※決定的なネタバレはしていませんが、結末に対してどう思ったか書いているので、傾向はわかってしまうかも。未…

読書「鬼平犯科帳(四)」池波正太郎

半年ぶりに鬼平犯科帳の続きを読む。安定して面白い。 鬼平犯科帳(四) 作者:池波 正太郎 文藝春秋 Amazon 前巻では、一時的に火付け盗賊改メ方の任を解かれて旅に出ていた平蔵だったが、本巻ではまた「鬼の平蔵」として大活躍をする。まあ、平蔵自体は、頭…

読書「奇術探偵 曾我佳城全集」泡坂妻夫

泡坂妻夫さんのミステリ短編集。引退した女性奇術師・曾我佳城(そがかじょう)を主人公とした奇術ミステリーである。好事家による大人の娯楽という感じで、楽しめる作品集だった。 奇術探偵曾我佳城全集 作者:泡坂 妻夫 講談社 Amazon 泡坂妻夫さんのお名前…

読書「十角館の殺人」綾辻行人

日本の本格ミステリーの定番中の定番は、やはり評判通りの名作なのであった。痺れたなぁ。 十角館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫) 作者:綾辻行人 講談社 Amazon 綾辻行人さんの館シリーズは、高校生くらいのころに「十角館」「水車館」「迷…

読書「よこまち余話」木内昇

初読み木内昇さんの長屋幻想小説、かな。何気なく手に取ったけど・・・良い本を見つけてしまった。 よこまち余話 作者:木内 昇 中央公論新社 Amazon 木内昇(きうちのぼり)さんのお名前を知ったのは、いつも読ませていただいているはてなブロガーさんの記事…

読書「ミュージック・ブレス・ユー!!」津村記久子

2008年刊行の、津村記久子さんの長編小説。音楽好きの高校生の女の子が主人公。中年おじさんの自分には縁遠い存在と思いつつ、意外にもその心情が沁みとおるように伝わってくる。 ミュージック・ブレス・ユー!! 作者:津村 記久子 角川グループパブリッシング…

読書「盾と矛」方丈貴恵

2026年3月26日に発売されたばかりの、方丈貴恵さんによる中編連作ミステリー。大胆な仕掛けで楽しめる一冊であった。 盾と矛 (角川書店単行本) 作者:方丈 貴恵 KADOKAWA Amazon 方丈貴恵さんのお名前を知ったのは、以前読んだ「推理の時間です」というアンソ…

読書「ミステリ愛。免許皆伝!メフィスト道場」平山夢明、久坂部羊、不知火京介、黒田研二、倉知淳、村崎友

講談社の文芸誌「メフィスト」編集部によるミステリ・アンソロジー。お題の縛りがあるにも関わらず、妙に振れ幅の大きい作品が集まり、楽しめた。 ミステリ愛。免許皆伝! (講談社ノベルス メA- 4 メフィスト道場) 作者:平山 夢明 講談社 Amazon 今年は、新た…

読書「高原のフーダニット」有栖川有栖

初読み有栖川有栖さんの中編ミステリ3本。安定して楽しく読めるミステリーという感じでとても良かった。 高原のフーダニット 作者:有栖川 有栖 徳間書店 Amazon 大ベテランの本格ミステリ作家・有栖川有栖さんのお名前はもちろん存じ上げていたのであるが、…

読書「ペンギン・ハイウェイ」森見登美彦

森見登美彦さんのファンタジー小説・・・かな。少年の描き方がとても魅力的な小説であった。ただ、今一つすっきりしない部分も残るのである。 ペンギン・ハイウェイ 作者:森見 登美彦 角川グループパブリッシング Amazon 森見登美彦さんの著作についてはこれ…

読書「秋の牢獄」恒川光太郎

恒川光太郎さんの短編集。ジャンルとしてはホラーになるのだろうけれど、恐怖だけではない様々な要素が絶妙なブレンドでミックスされたなんとも言えない味わいの作品。面白かった。 秋の牢獄 作者:恒川光太郎 角川書店 Amazon 恒川ファンを自認し、常々当ブ…

戸塚のカフェ「珈琲と図書室」を訪問

GoogleMapを眺めていて、気になるカフェを見つけてしまったのである。横浜市戸塚区にある「珈琲と図書室」。 https://maps.app.goo.gl/TD5FwrX64qSUP7So7 写真を見ると・・・壁一面の本棚に並べられた本。落ち着いた雰囲気の店内。どうやらかなり珍しい珈琲…

読書「百年と一日」柴崎友香

柴崎友香さんによる33本の短編集。平均したら1本あたり5.33ページ。1本あたりは短いけれど、独特の雰囲気で読ませる味わい深い一冊であった。 百年と一日 (単行本) 作者:柴崎 友香 筑摩書房 Amazon 柴崎友香さんの小説を読むのはこれが2作目。少し前に読んだ…

読書「サロメの断頭台」夕木春央

夕木春央さんによる、大正時代を舞台としたミステリー。蓮野・井口のシリーズ3作目。凄みを感じさせる小説であった。 サロメの断頭台 作者:夕木春央 講談社 Amazon 最近書店に行くと、文庫版「方舟」の帯に50万部突破の文字が躍っているのを見かける。知人…

読書「紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪」歌田年

紙鑑定士がなぜか探偵業に挑む「紙鑑定士の事件ファイル」シリーズの第二作目。前作同様、気楽に読めて楽しめた。 紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪 作者:歌田 年 宝島社 Amazon 前作「模型の家の殺人」は、主人公の紙鑑定士・渡部圭と、伝説のモデラ…

読書「失われた貌」櫻田智也

初読み櫻田智也さんの長編ミステリー。設定はオーソドックスで派手さはないけど、とても丁寧に練り上げられた、完成度の高い警察小説だった。 失われた貌 作者:櫻田 智也 新潮社 Amazon 私が積極的に趣味として読書を行うようになってから六年ほど。年季の入…

読書「52ヘルツのクジラたち」町田そのこ

初読み町田そのこさんの長編小説。とっても面白かったけど、鈍った中年の感性では感動しきれないものがあるのも確かである。 52ヘルツのクジラたち (単行本) 作者:町田 そのこ 中央公論新社 Amazon 2021年の本屋大賞受賞作。人気作なのでタイトルは知ってい…

読書「聖なる怠け者の冒険」森見登美彦

森見登美彦さんの長編小説。京都を舞台としたコメディ&ファンタジーとでもいおうか。きっと好きな人は好きなんだろうけど、残念ながら個人的にはあまり乗れなかったのである。 聖なる怠け者の冒険 作者:森見 登美彦 朝日新聞出版 Amazon 相変わらず仕事が忙…

読書「幽民奇聞」恒川光太郎

2026年1月末に刊行されたばかりの、恒川光太郎さんの最新作。これぞ恒川さん、という期待通りの作品であった。やっぱりいいなぁ、好きだなぁ。 まさかの新刊ラッシュである。 昨年10月に大長編「ジャガー・ワールド」を上梓したばかりの恒川光太郎さんの最新…

読書「緑の窓口」下村敦史

樹木に関するトラブルを受け付ける区役所の環境対策課「緑の窓口」を舞台とした下村敦史さんの連作短編。ライトな読み心地で心温まる内容。まずまず面白かった。 緑の窓口 ~樹木トラブル解決します~ 作者:下村 敦史 講談社 Amazon 最近とにかく仕事が忙しい…

読書「紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人」歌田年

紙鑑定士とプロモデラーがタッグを組んで、探偵として人探しを行う。なんともマニアックな設定だが、とっつきづらさはなく、軽い読み心地で楽しめる一冊であった。 【2020年・第18回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】紙鑑定士の事件ファイル 模…

読書「彰義隊」吉村昭

幕末から明治を舞台にした、吉村昭さんの歴史小説。タイトルから彰義隊の成り立ちや個々の隊員を深堀りした小説を期待していたが・・・そうではなかった。タイトルに偽りあり、と言いたくなるところだが、その真意は「あとがき」で明らかにされる。少々読む…