3/23日曜日。前から気になっていた「市谷の杜 本と活字館」に、奥様と共に行ってみることにした。本と活字館は、大日本印刷株式会社が運営する博物館で、昔の活版印刷の機械などが展示されている。
活版印刷と聞いて私が一番に思い出したのは宮沢賢治「銀河鉄道の夜」、をアニメ化した映画である(原作は未読・・・)。観たのは幼き小学生のころ。映画自体は退屈で最後まで見ていられなかった。しかし、主人公のジョバンニ(なぜか青ネコ)が、印刷所で働き、棚から活字が記された金属の棒を集めるシーンは妙に印象に残っていたのである。そのことを奥様に話したところ、同年代の奥様もまたそのシーンは印象に残っていたようだ。子供の頃に見たアレの実物が見られる・・・ということで二人ともワクワクしていたのである。
JR総武線の市ヶ谷駅で降りてから徒歩15分程度。以下のようなルートで向かう。近辺は広大な敷地に大日本印刷関連の大きなビルが数多く立ち並ぶ。さすが日本を代表する印刷会社である。

こちらが本と活字館の外観。時計台が印象的な建物である。大日本印刷の前身である「秀英舎」が1926(大正15)年に建てた社屋を復元したものとのこと。

中は写真撮影可なので、遠慮なく写真を貼っていく。
本づくりの流れは、1.作字→2.鋳造→3.文選→4.植字→5.印刷→6.製本の流れとなるそうだ。この工程に沿って進むように展示されている。
これは、「1.作字」用の機械「パントグラフ」

こんな感じで、職人が書いた文字に沿って、溝を彫って行き、「母型(ぼけい)」というものを作る。写真だけだとわからないが、動画で見たところこの針を手動で前後左右に動かして、ガリガリと彫っていく感じであった。

これが出来上がった母型。母型庫と呼ばれる箱に納められる。配置は使用頻度など、独特の順番で納められるとか。彫られた漢字はなんだか新鮮に見える。

これは、「2.鋳造」を行うための鋳造機。上からつるされている灰色の棒が鉛合金で、これを溶かして、母型の溝に流し込むことで、文字の部分が出っ張った金属の棒「活字」が出来上がる。

これが出来上がった活字。考えてみれば当然なのだけれど、字は反転しているんだな。

次が「3.文選」。原稿に合わせて、活字を拾っていく。ジョバンニがやっていたやつだ。見るからに大変な作業。3Dホログラムみたいなので職人さんが実際に文選しているところを眺めることができる。

活字を並べた棚のある部屋。めちゃくちゃいっぱいある・・・。気が遠くなりそうな作業だ。

これが4.植字。実際に印刷する本のページに合わせて組版を作る。行間なども全部含めて敷き詰めるそうだ。字も反転しているし、これも大変そうな作業だ。。。

そして、5.印刷。なんと、実際に印刷機が動いているところを見せてくれる!

ちなみに、予約をすればワークショップで実際にこれまでの一通りの工程を経た後に製本までさせてくれるそうである。真ん中の小さい本は4か月かけて作成したそうだ。

これは楽しそうだなぁ。

ミュージアムショップは、本づくりに関する書籍が並ぶ。

長くなったのでこれくらいにするけど、期待以上に楽しかったなぁ。製造工程を見ることで、モノとしての本に対する愛着がふつふつと湧いてくるとでも言おうか。
電子書籍も便利ではあるけれど、私はやっぱり紙の本が好きである。そのことを再認識させてくれた。機会があればまた訪れたい。
おまけ。昼食は、本と活字館から徒歩10分くらいの「薬王寺カフェ」。
私はハヤシライス。

奥様は、珍しいお食事プリン!。甘くない、洋風茶碗蒸しみたいなものだそうだ。
